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横須賀オン・マイ・マインド

(横須賀のタウン誌 「朝日アベニュー」に毎号連載中のショートエッセイをそのまま掲載しています。)


第101回 悪魔の角笛
 「悪魔の角笛」・・・サクソフォンはこの世に登場して以来このように呼ばれてきた。サクソフォンは1844年、アドルフ・サックスにより開発された。楽器が登場してからわずか170年、もっとも若い楽器でありながら今では最も多く使用される楽器のひとつとなっている。
 アドルフ・サックスと言う人は大変優秀な楽器職人であると同時に精神的にもタフな人だったらしい。開発段階では仲間内から妨害を受けたり事故にあったりしながらそれにもめげず新楽器開発にこぎつけたのである。
 そもそもこの楽器が「悪魔の角笛」と言われて忌み嫌われた原因はその音質にある。この楽器は“淫ら”で“下品“で”扇情的“な音とされ、オーケストラや宗教関係者から猛烈な非難を浴びたのである。
 20世紀に入りサクソフォンはアメリカに渡り、ジャズを中心に爆発的に普及を始めることとなる。サクソフォンの特徴は良くも悪しくも演奏者によってそのサウンドが異なる点にある。ジャズの巨人たちのサウンドは皆千差万別、それぞれの個性を発揮している。彼らは皆一様にサクソフォンの魔力の虜になった人達である。
 私もこの楽器の魔力に取り付かれた一人なのだ。これからも「悪魔の角笛」を生涯離さないだろう。

第102回  ライブの選曲
 ライブを前に考えなければならない最大のポイントは選曲だろう。お客様のニーズを掴み喜んでいただけるようなプログラムを組み立てることは大変重要な作業である。
 先日自分のライブで始めてお客様へのアンケートを行った。このライブは毎回いらしてくれている固定客の方も多く、マンネリを避けるためにもお客様の要望を確認する意味があったのである。
 演奏した曲の中で比較的好評だったのは賛美歌を始めとして古い曲でもメロディのきれいな曲が多かった。また今後聴きたい曲には映画音楽が最も多かった。具体的な要望曲の中にもかなり映画音楽が含まれている。主たる客層である中年以上の方にはスクリーンの思い出と共にその主題歌のメロディが頭に焼きついているのだろう。今後の選曲上大変参考になった。
 ただこうした要望曲ばかりでライブを構成することには不賛成である。良くプレーヤーがライブの冒頭に客からリクエストを取り、それに沿って進行することがある。これは客の意向を重視するというより事前準備不足のイージーな対応と見られても仕方ない。やはり奏者が今日聴かせたいという主張も加えないとプログラムは締まらないのではないだろうか。

第103回  ラテン音楽の魅力
 ラテン音楽と一口に言ってもその種類は大変豊富である。マンボ、ルンバ、サンバ、チャチャチャ、タンゴなどなど。私が小〜中学生の頃最初に興味を持った洋楽は当時流行ったペレス・プラドのマンボであった。特に「闘牛士のマンボ」は大好きでその頃から将来はサックスを習ってこの曲を演奏したい・・・という夢を抱いたものである。
 ラテン音楽の魅力は何と言っても体を動かしたくなるような強烈なリズム感にある。ジャズやポップスでは概してリズムを重視するダンス型からメロディの複雑なリッスン型の方向に移り変わってきた。それだけに単純なリズムのラテン音楽が我々を強く惹きつけるのである。
 更にラテン音楽は他のジャンルにも多大の影響を与えている点は見逃せない。例えばジャズにおけるボサノバの浸透などもその顕著な例であろう。ニューオリンズジャズにもラテンのリズムを取り入れた曲が少なくない。日本の歌謡曲もラテンリズムの影響を大いに受けている。
 今年9月に三重方面に演奏旅行の際、出演6グループは必ずラテン音楽を1曲入れるというプログラムを作った。観客の反応は上々で場内は大いに沸いたのである。これからもライブでラテン音楽を積極的に取り上げていきたいと思っている。

第104回 ライブの時間管理

 ライブは1ステージの限られた時間内で盛り上がるよう曲を配列し効率良く演奏しなければならない。自分のバンドだけなら多少時間が前後しても休み時間や終演時間を調整すれば済むかもしれない。しかし複数のバンドが演奏するジャズ祭などでは一つのバンドが時間をオーバーすると後のバンドに多大な迷惑がかかる。
 大体経験から演奏曲数は決められるはずなのだが中にはもう時間が来ているのに「あと1曲・・・」などと無神経に準備してきた曲を全部こなすバンドもある。時間管理の意識が乏しいのではないだろうか。
 時間の誤算の原因の一つには曲間の時間の見誤りがある。1曲が終わって次の曲までの間には若干のMCも必要である。簡単に曲目を言うだけでも1分はかかる。まして曲の解説やメンバー紹介をすれば最低2分はかかる。1ステージ合計では10分は簡単に消費する。30分ステージでは私のバンドの場合MCを簡素化しても大体4曲が精一杯である。
 もう一つ時間管理の側面から見て気になるのはライブ開演時間である。開演時間になってもダラダラと演奏者が雑談していたりするとすごくイライラする。定刻に“バーン”と最初の曲の音が出ると何かすごく快適でスッキリした気分となる。これは私がA型人間だからかしら?


過去のエッセイ

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−第21回から第40回
−第41回から第60回
−第61回から第80回
−第81回から第100回
−第101回から